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高森明勅
2016.2.6 08:34

日韓合意「勝利」論の水準

産経新聞は「保守」系メディアの代表的存在。

阿比留瑠比氏は同紙のエース記者。

その阿比留氏は日韓合意を「7対3で日本の勝ち」と
(『正論』3月号)。

だが、今回の合意で
欧米のメディアは日本が強制連行を正式に認めたと理解している」
(秦郁彦氏)ーとの批判にも、次のように反論する。

外国のメディアが『日本が強制連行した』とか『20万人』などと、
いろいろ書いてきたのも今に始まった話ではありません。
…これはこれで今後正していかなければなりませんが、それを正す
前提として、
まず一番告げ口外交を展開する韓国を黙らせる必要が
あった」と。

驚くべき本末転倒。

韓国の告げ口外交なんか放っておけば良い。

やればやるだけ韓国の異常さが際立つだけ。

それより、これまでの外国メディアのデタラメな報道に、
安倍首相の名前による国際社会への公式な意思表明自体が、
しっかり“お墨付き”を与えてしまった事実の方が、わが国の名誉と
国益にとって致命的。

これはこれで今後正していかなければ」などと気楽に述べているが、
この度、
安倍政権がそれを殆ど不可能にするような大失態を犯して
しまった
ことに何故、気付かない。

わが父祖の歴史の“冤罪”を晴らすより、安倍政権の擁護を大切する
「保守」って一体、
何なのか。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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